【WEST】名古屋－富士ゼロックス西　試合レポート

僅かなチャンスに得点した名古屋が今季待望の初勝利

 

ここまでともに未勝利の名古屋サイクロンズと富士ゼロックスJ-starsが対戦。実力が伯仲しているだけあって、これまでの４戦では見せることができなかった見ごたえのある試合を繰り広げた。

 

試合開始早々、富士ゼロックス西が奇襲を仕掛けた。自陣28ヤードからの攻撃で、ＱＢの位置にＲＢ#22山下が入りオフタックル付近を攻めると、その後もノーハドルで山下とＷＲ#11松村を交互に起用。ひたすら中央やオフタックル付近を攻め続ける。

ハーフライン近くまで５回のランで到達すると、そこからも同じプレーで攻め続け、敵陣40ヤードまで攻め込んだ。このオフェンスで３rdダウンとなったところで、ようやくＱＢに#18橋口を起用。スクランブルランで前進するが、４thダウンギャンブルでパスを失敗し、攻守交代となった。

 

奇襲攻撃を凌いだ名古屋は、自陣32ヤードからの攻撃となり、ＲＢ#33森川、#7加藤のランで前進すると、ＱＢ#15佐藤がＷＲ#81鈴木へのパスを決める。

その後、再び鈴木へのパスが決まり敵陣へ攻め込むと、ＱＢ佐藤が２度のスクランブルで敵陣30ヤード付近まで攻め入る。

ＲＢ森川、ＱＢ佐藤のラン、その佐藤から森川へのパス、ＲＢ加藤のランでゴール前３ヤードとし、最後は森川が右オープンを走り抜けＴＤし先制した。

 

次の名古屋の攻撃で、ＱＢ佐藤の投じたパスを、富士ゼロックス西のＬＢ#41藤岡がインターセプトする。敵陣24ヤードからの攻撃となった富士ゼロックス西だが、ホールディングの反則で10ヤード罰退させられると、ＱＢ橋口がＷＲ#14草開へのパスを２度続けて決め３rdダウン２ヤードまで挽回したが、ここでパスを失敗。

 

Ｋ#87行田の38ヤードのＦＧトライも失敗に終わり、追い上げることが出来ない。

 

富士ゼロックス西は、次の名古屋の攻撃でも、ＤＢ#2石井が低いところに飛び込んでインターセプトすると、敵陣43ヤードから攻撃を展開。

ＲＢ山下のランや、ＱＢ橋口からＷＲ#81田川へのパスも決まり、さらに再び山下のランでゴール前13ヤードまで迫る。

ここからＱＢ橋口がＷＲ田川へのパスを決め、さらにＲＢ山下のランで前進するも、４thダウン１ヤードからの山下の中央へのランは、名古屋守備陣に阻まれ得点することができず、結局７－０で前半を折り返した。

 

後半に入ると両チームとも、単調な攻めを繰り返す。

名古屋は、３Ｑの終わりに自陣23ヤードから、ＱＢ佐藤がＲＢ#9井戸へのパス、佐藤の自らのランなどで、敵陣21ヤードまで攻め込んだ。さらにＲＢ森川、加藤、ＱＢ佐藤のランでゴール前５ヤードまで迫ったが、ＴＤを奪えず、Ｋ#63山口の22ヤードのＦＧトライも失敗に終わる。

 

試合終了間際、富士ゼロックス西のＱＢ橋口が自陣22ヤードから付近から投じたパスを、名古屋ＤＢ#28中村がインターセプト。ゴール前３ヤードまでリターンした。

この転がり込んだチャンスに、ＱＢ佐藤が右オープンを走り抜けて待望の追加点。14－０で今季初勝利を手に入れ、１stステージ５位とした。

 

名古屋の谷川監督は「５位は仮の順位。２ndステージでしっかり勝たないと意味がないが、とりあえずは一安心」と、ほっとした表情。けが人などが多く満足なメンバーで戦えておらず、２ndステージは１Ｑ15分と試合時間も長くなるため、「もう少し選手に集まってほしい」と、選手層の薄さを嘆いていた。

 

一方、富士ゼロックス西の清水監督は「ＱＢとＷＲのコンビネーションが合っていなかった。もっとパスを通さないと厳しい。最後の詰めの甘さが結果に出た」と残念そうに話す。

ただ、「ディフェンスはインターセプトを２本、パントもよく飛んでいたので、ようやくフットボールをすることができたと思う」と話し、２ndステージで初勝利を奪うことを誓っていた。